2025年12月01日

こんにちは、沼津せせらぎ歯科クリニック 院長の田中です。
「むし歯があるけど、まだ痛くないから大丈夫」 「忙しいから、歯医者に行くのはまた今度でいいかな」
このように、むし歯とわかっていながら治療を先延ばしにしている方は意外と多いのではないでしょうか。
実は、むし歯は痛みがない初期の段階から静かに、確実に進行しており、放置することであなたの歯の寿命だけでなく、全身の健康にも大きなリスクをもたらします。
今回は、むし歯を放置することで起こる深刻なリスクと、早期発見・早期治療の大切さについてお話しします。
あなたが知らない、むし歯を放置する3つの大きなリスク
むし歯は、歯の表面が溶け、放置し続けると最終的に歯が失われる病気ですが、その影響はお口の中だけにとどまりません。
1. 歯の根っこを失うリスク(抜歯と治療の長期化)
むし歯が進行すると、歯の表面のエナメル質、象牙質、さらに進むと歯の中心にある神経(歯髄)まで到達します。むし歯治療
痛みが出る: 神経に達すると激しい痛みが生じます。
根管治療が必要: 歯を残すためには、歯の根の中にある神経や細菌を取り除く根管治療が必要になります。この治療は時間もかかり、治療自体も複雑です。根管治療
最終的には抜歯: 根管治療でも対応できないほど進行したり、歯の根が割れたりすると、歯を抜くしかなくなります。一度失った歯は二度と戻りません。
2. 全身の健康への影響(感染の拡大)
むし歯が神経を通り越して歯の根の先にまで達すると、そこで細菌が繁殖し、膿の袋(根尖病巣)を作ります。
この根の先に溜まった細菌や毒素は、血管を通って全身へ広がっていくリスクがあります。
心臓や腎臓の病気: むし歯菌が全身をめぐり、心内膜炎や腎炎などの重篤な病気を引き起こす可能性があります。
糖尿病の悪化: 炎症を引き起こす細菌は、糖尿病の血糖コントロールを乱す原因となることがわかっています。
蜂窩織炎(ほうかしきえん): 歯の周りの骨や筋肉に細菌が広がり、顔や顎が大きく腫れ、最悪の場合、気道(口から肺へ空気を送る管)を圧迫し命に関わる状態になることもあります。
3. 噛み合わせと周囲の歯への影響
むし歯が進行して歯の一部が大きく欠けたり、抜歯に至ったりすると、お口全体のバランスが崩れます。
周囲の歯の移動: 抜けた部分を長期的に放置すると、後ろの歯が抜けたスペースに倒れ込んできたり、噛み合っていた上の歯が伸びてきたりして、噛み合わせ全体が乱れます。今後、歯が抜けたスペースを補う補綴治療を行う際に、倒れた歯を元に戻すために治療が複雑になります。
残った歯への負担: 噛み合わせが崩れると、健康な残りの歯に過度な負担がかかり、その歯もむし歯や歯周病になりやすくなってしまいます。
怪しいと思ったら来院・検診を!当院からのメッセージ
むし歯は、早期に発見し、早期に治療するほど、治療期間が短く、費用も抑えられ、何よりご自身の歯を大きく残すことができます。
「痛くない」状態は、「進行していない」状態ではありません。
当クリニックでは、初期のむし歯は削らずにフッ素塗布などで経過観察をするなど、できる限り歯を削らない治療を心がけています。また、むし歯の原因を突き止め、再発を防ぐための予防指導にも力を入れています。
「もしかしたらむし歯かも?」と不安に思われたら、症状が悪化する前に、ぜひ一度ご相談ください。
沼津せせらぎ歯科クリニックは、あなたの健康的な歯と未来を守るために、専門的な知識と技術でサポートいたします。