2026年2月22日

こんにちは、沼津せせらぎ歯科クリニック 院長の田中です。
「毎日しっかり磨いているのに、定期検診で歯の汚れを指摘されてしまう……」 そんなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。実は、使う道具だけでなく「使う順番」を変えるだけで、お口の清掃効率がグッと上がることがわかっています。
今回は、意外と知らない「フロスと歯ブラシ、どちらを先にするべきか」について、研究データを交えてお話しします。
歯ブラシだけでは「6割」しか磨けない?
驚かれるかもしれませんが、予防歯科の権威である Harald Löe 氏らの研究によると、どれだけ丁寧に歯ブラシをしても、お口の中のプラーク(歯垢)はブラッシングのみによる清掃では歯面全体のプラークの約60%しか除去できず、残りの約40%は歯ブラシの毛先が届きにくい「歯と歯の間」に残ってしまいます。
Löe H. “Oral hygiene in the prevention of caries and periodontal disease.” Int Dent J. 2000.
この「残された40%」こそが、むし歯や歯周病の温床となります。この汚れを攻略する主役が「フロス」ですが、その効果を最大化するタイミングがあるのです。
「フロスが先」が圧倒的に有利な2つの理由
別の研究では、「先にフロス(歯間清掃)」をしてから「歯ブラシ」で磨くことが、最も効果的であると結論づけられています。
歯間の汚れを効率よく「追い出す」
先にフロスで歯と歯の間のプラークを浮かせ、隙間を作っておくことで、後から使う歯ブラシの毛先や、歯磨き粉の洗浄成分が隅々まで行き渡りやすくなります。
フッ素を歯の間に「閉じ込める」
歯ブラシの後にフロスをすると、せっかく歯面に広げた「フッ素(むし歯予防成分)」をフロスが物理的に掻き出してしまう可能性があります。先にフロスを済ませておけば、歯磨き粉に含まれるフッ素が、最もむし歯になりやすい「歯の間」にしっかりとどまってくれます。
研究内容: 被験者を対象に、「歯ブラシ→フロス」のグループと「フロス→歯ブラシ」のグループで、歯垢の落ち具合とフッ素の残留濃度を比較した結果、「フロス→歯ブラシ」のグループで口腔内全体のプラーク(特に歯の間)が有意に減少し、歯の間に残るフッ素の濃度が一方より高いことを証明した。
Mazhari F, et al. “The effect of toothbrushing and flossing sequence on interdental plaque control and fluoride retention: A randomized controlled clinical trial.” J Periodontol. 2018.
沼津せせらぎ歯科クリニックからのアドバイス
「フロスは面倒で最後になりがち……」という方も多いかもしれません。しかし、順番を入れ替えるだけで、いつものケアのレベルが上がります。
まずは、夜のケアから始めましょう
使い慣れてない人は、フロスを使うこと自体が高いハードルになります。まずは、一番時間をかけられる夜のフロスケアから初めて習慣にしてみてください。
自分に合ったツールを
糸タイプ、ホルダー付き、あるいは歯間ブラシ。どれが最適かは、歯並びや歯ぐきの状態によって異なります。
わからないからやらない……でしたら、当院スタッフと一緒に決めて行きましょう!
まとめ
1. まずフロスで歯の間の汚れを浮かせる(4割を攻略!)
2. 次に歯ブラシで全体の汚れと浮いた汚れを落とす(フッ素を歯の間に届けるイメージで!)
せっかくのケア、一番効果が出る方法で続けていきましょう。お口の健康は、日々のちょっとした工夫から始まります。
プロの視点でお口にぴったりのケアを
「自分にはどのフロスが合っているの?」「使い方がいまいち分からない……」という方もご安心ください。
沼津せせらぎ歯科クリニックでは、患者さま一人ひとりのお口の状態に合わせ、最適な清掃用具をご紹介しております。歯ブラシ指導のプロである歯科衛生士と、歯ぐきのスペシャリストである歯周病専門医の両方の視点から、あなたにぴったりのセルフケアをサポートいたします。
沼津せせらぎ歯科クリニックでは、あなたの健康的な毎日をサポートいたします。お電話、またはホームページからお気軽にご予約ください。